フレームのタイプ

「かわいらしさ」「かけやすさ」「丈夫さ」、子供用メガネに求められる要素はいろいろあるかと思います。
ここでは、そられに関係する幾つかのポイントについて、考えてみたいと思います。

※子供メガネ研究会の会員店が在庫しているフレームは、各店舗によって異なります。各店舗の品揃えに関する詳細は、直接お店へお尋ねいただければと思います。

●色・形
これは好みの問題が大きいですので、論評は難しい部分です。
最近のフレームは、とてもカラフルになってきています。
「女の子だから赤系統」といった固定観念に縛られることなく、お子様がかけたいと感じられる色を選ばれるケースが増えているのではないでしょうか。

成人のメガネフレームでは上下幅の狭めものが多く、子供のメガネもその影響で、上下幅が狭めのものが多いようです。
最近はクラッシック系フレームの人気もあり、成人向けでも上下幅が広いフレームをよく見かけるようになりました。
丸っぽい楕円のフレームをお子さんが掛けると、とてもかわいらしいですね。


弱視や斜視の治療などで、上目遣いになったときでもレンズが視線から外れないようにとの目的でレンズ部分が大きめのフレームをご希望される場合もあります。
ただし、あまり大きすぎても、お顔とのバランスが悪かったり、重たくなったりしてしまう可能性がありますので、いろいろなフレームをじっくりかけくらべてみましょう。


●構造によるフレームの分類
下画像のフレームが「フルリム」と呼ばれるタイプです。


レンズの周りをフレーム(リム)がしっかり覆っています。
子供用メガネではもっとも多く出回っていると思われます。
どうしてもフレームが目立ってはしまいますが、安心してお使いいただけるタイプではないでしょうか。
また、遠視の場合、他の2種類よりもレンズを薄く仕上げることができます。

続いては「ナイロール」と呼ばれるフレームです。



フレーム(リム)が途中までしかありません。
それ以外の部分はナイロン糸(釣り用のテグスを使用しているお店が多いはずです)で、レンズを保持しています。
ナイロン糸でレンズを保持するための溝をレンズ周囲に掘るために、ある程度の縁厚が必要になります。

その結果、特に遠視の場合はフルリムよりもレンズは厚く仕上がることが多いですが、フルリムに比べてフレームが自己主張せず、すっきりとした印象になります。
通常の使用では、まず問題ありませんが、ぶつかってしまったときなどはフルリムに比べてレンズが外れてしまうリスクは高いかもしれませんので、ある程度注意をしてメガネを扱えるお子様向けではないでしょうか。

最後が、「ふちなし」とか「リムレス」などと呼ばれるタイプです。



レンズに穴を開け、ネジやピンでフレームと固定をします。
子供用メガネとしてはあまり数多くは出回っていないようです。
最も素顔に近い印象になりますが、レンズの周囲がむき出しですし、取り扱いによってはレンズ破損のリスクは一番高いでしょう。
ナイロール同様、遠視の場合はレンズが厚くなってしまいます。

それぞれ一長一短がありますので、度数や年齢なども考慮しながらお選びいただければと思います。


●モダン(耳に引っ掛ける部分)の種類
下画像が「半がけ」と呼ばれるタイプ。
子供用に限らず大多数のメガネがこの形状です。



こちらが「ケーブル」とか「巻きツル」などと呼ばれるタイプです。


耳のうしろにクルッと巻きつける感じになりますので、半がけに比べればメガネは外れにくいでしょう。
しかし、最近の子供メガネは「半がけ」が多くなってきているように感じます。
モダンの先端部分にケーブルの代わりになるような部品をくっつけたり、バンドを併用することなどで、「半がけ」でも外れにくくすることが可能です(下画像を参照してください)。
ですから、特別にケーブルタイプにこだわる必要はないかと思います。 
 

●フレームの素材
こちらは金属を使用したものです。
軽いチタン製のものが主流です。



「セル枠」と呼ばれるタイプです。
アセテートを用いているものがほとんどです。
使用するアセテート生地によって、ガラッと雰囲気が変わります。



最近非常に多くなっている、樹脂を使用したものです。


この他にも、「レンズのはまる部分はチタン製で、テンプルはアセテート」だとか、いろいろなパターンがあります。


「どの素材が丈夫か」と問われた場合、それぞれに一長一短がありますので、一概には言えません。
ただ、破損してしまった場合の修復のしやすさに関しては、金属製フレームにやや軍配が上がるかもしれません。

また、すべてが樹脂やアセテートでできている場合、型崩れのしにくさというメリットはありますが、骨格に合わせてフレームを調整することは困難になります。


●フレームが破損してしまった場合
ある程度の変形やゆがみであれば、お店で直すことは可能です。
ただし、テンプルが折れてしまったとか、レンズをはめている部分が切れてしまった、などといった場合はちょっと困ります。

対応としては、まず壊れた部品をメーカーから取り寄せる方法があります。
うまくいけば、翌日には部品が届くでしょうが、地域や曜日によっては数日要する場合もあるでしょう。ゴールデンウィークやお盆・年末年始など、メーカーがお休みの場合は、さらに日数はかかります。
また、必ずしも同じ部品が手に入るわけではありません。フレームによっては既に製造中止で、部品も残っていないということもあるわけです。


金属製の場合、「ロー付け」という接着技術で、よほど派手に壊さない限り修復は可能ですが、これは店内でやってしまう場合と、業者へ送ってやってもらう場合とにわけられます。
業者へ送る場合、金属の素材や仕上げ(メッキ)の手間によって、約1週間から3週間くらいの期間を要します。
その間はメガネなしになってしまいます。

破損した箇所がアセテートや樹脂であると「ロー付け」は不可能です。
素材や壊れかたによって、どこまで直せるかは変わってきます。

修理が不能だったり、時間がかかるという場合、最終的には、レンズを生かしてフレームを交換するということになります。
しかしながら、子供用メガネはかなり玉型が小さいですから、交換するフレームは、それよりも小さな玉型でなければなりません。
玉型が小さくなればフレームの全体的なサイズも小さくなりますので、窮屈な感じになります。
また、「左右の瞳孔間距離」と「左右のレンズの中心間の距離」との関係が、フレームを替えることで狂ってしまう可能性もあります。
いずれにせよ、よほど相性のいいフレームがない限りは、あまり具合のよい仕上がりにはならないでしょう。

ですから、万一のときに慌てないためにも、予備のメガネを一式持っておかれると安心です。





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